神戸・メリケン波止場のとあるパブ。
昭和30年代に神戸港沖に碇泊する大型船と神戸の街を結ぶ通船を結ぶ通船の待合所を改装した店である。
「改装」と言っても、ほぼ何も手を入れていないようで、待合室独特の長居を許さないような冷たいタイルの上に、プラスチック製のテーブルやらどこかの事務所で使われていたであろう会議机、それに仕方なく納まっている不揃いな椅子。
壁面には、様々な写真やポスター。
店の前に係留しているのであろう船のドック入り時の写真や船乗りたちの集合写真。
まだまだある。マスターの似顔絵や新旧のメリケン波止場の俯瞰写真。
アドリア海の港の写真。
それらに混じって、店の宣伝チラシ。
「千円で楽しめる云々かんぬん」「闇鍋大会◯月×日」等々。
地球儀、船の模型、大量の焼酎の瓶、ワインの瓶。
どの船に乗っても見られる雑多な光景。
船に乗ったような気分。
ぼくは船や船乗りの持つ、かっこいいとかかっこ悪いとか関係ない、でも、こだわりがある(ようなないような)ツギハギで合理的な寄せ集めの生活感に惹かれる。
***
さて、話をとあるパブに戻す。
ぼくはそこで、まず冷酒をひとつ頼んだ。
沢の鶴本生。神戸である。
あと、なんとなく店主の言葉につられ、だし巻き卵。
この店にはメニューがない。
なので店主のあれやこれやができます、という言葉のみがぼくらの選択肢である。
だし巻き卵美味。
「誰もが今日を生きる。二度と来ない。夢を越えて。」とはBGMのアイドル。
どういう意味かひとしきり考えてみるものの分からず。
ほどなくして黒霧島お湯割りが届く。
半分ちょっと飲んだところで、アイドルが歌わなくなって静寂。
勘定。
***
ぼくは近々(願わくば)この店の前に船を留めたいと思っています。
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